今日はダイタラボッチのお話です。
厳しい天候が続く中、その年は春になっても冷たい風が吹き付けます。そんなある日、暖かい日差しがさしこみ、遠く浅間山、日光山脈がきれいに見渡せました。そして不思議と男体山と浅間山の頂に物干し竿が見えるのです。誰かが巨人が洗濯をしているのだろうと言い、そんなことがあるものかといぶかしみながらも、みな戸をかたく閉ざして家に籠もってしまいました。その夜村中にとても大きな音が響き、みながこわごわ見てみると、巨人がせっせと田畑を作っているのです。一夜明け代田には大きなくぼ地ができ、水が湧き出るようになりました。次の日代田から夜目に見た巨人は、筑波山に腰をかけて浅間山の煙で火をつけ、煙草を吸いながら代田の方をみて笑いかけたそうです。
このお話も『改訂 世田谷の民話』からの引用だそうです。
ちなみに「代田」の地名も、このダイタラボッチから取られているといわれています。
柳田国男も、一時期世田谷の成城の方に住んでいて、この代田のダイタラボッチについて記しているそうです。(私はまだ読んだことがありませんが・・・。)