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世田谷これまである記 -blog編-


深沢の民話 その2

今回は深沢の農業と関わるお話です。

日照りの続く年、貧しい農民の伊之助が家のほうに歩いていると、秋山の森で火が燃えているのを見つけました。山火事になったら大変だと思い、火を消しに行こうとしたら木につまずいて転んでしまいました。そして起き上がったら火はもう消えていました。きつねに化かされたかと思って家に帰ると、伊之助の着ていた股引がぬれているのです。伊之助は不思議に思い、翌朝また森の転んだところへ行ってみると、そこには湧水がありました。この水を呑川まで引けば、どんな日照りでも大丈夫だ、とおもった伊之助はせっせと堀を掘りました。そしてこの堀はその後伊之助堀と呼ばれるようになりました。

このお堀は今はもうないのでしょうか。いつまであったのですかね。
いままで農業に関する昔のお話がたくさんありましたが、どれも江戸時代から震災前や戦前までは、一貫して身近なお話だったのだろうと思います。世田谷でこういうお話が身近に感じなくなったのは、宅地開発がおこなわれ始め、農地がなくなっていった頃からだと思われますので、およそ100年前まではこういうお話がいきていたんだろうと思います。
逆に言えば、その後100年で作られた民話というのはあまり聞きません。またこれから100年経てば、現在の世田谷の様子も民話として残されるのでしょうか。


以上これにて『ふるさと世田谷を語る』シリーズからの民話・伝説は一通り紹介できました。
この後は『せたがやの民話』などから重複部分を抜かして紹介して行きたいと思います。
by hirainatsuko | 2006-06-13 17:07 | 民話・伝説

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