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世田谷これまである記 -blog編-


池尻の民話  その2

今日は池尻の民話その2です。

昔、池沢には大きな池がありましたが、
人々が住むようになると池は埋め立てられました。
ある日、一人のお百姓が仕事を終えて帰り道を行くと、
美しい娘に声をかけられました。
娘は池のそばにある親戚の家が見つからないと言います。
それを聞いたお百姓は、池と言ったら井の頭の池しかないと言って、
娘をそこまで案内します。
井の頭の池に着くと娘は礼を言い、小判を三枚渡します。
そして決して振り返らずに帰って下さいとお願いします。
そしてお百姓が帰る途中、ものすごい光と音が響きました。
驚いて帰ったお百姓が、落ち着いてからもらった三枚の小判をみてみると、
それは三枚の大きな鱗でした・・・。

というお話です。
池沢村というのは今の池尻に入っていまして、
かつてこの辺りは、北は池尻村、南は池沢村に分かれていました。
このお話、一見すると娘は水の神で蛇神様だったのか、、、良い人助け(神助け?)をしたなぁ、というお話ですが、
この話は、最初の一文にもあるように池沢の池が無くなったため、
近くの井の頭の池に神様が引っ越した、というお話らしいです。
地名の由来にもなっている「池」ですが、
確かに現在はもう無くなってしまっていて、面影を見ることはできません。
しかし池尻、池沢をはじめ、他にも池の上という地名からも、
かつてあっただろう池を想像することができます。
by hirainatsuko | 2006-04-05 23:52 | 民話・伝説

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